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1−9 叔母の命令

last update Date de publication: 2025-06-29 10:13:41

――騒がしい夕食後。

ジェニファーはアンの部屋に呼び出されていた。

「叔母様。何の御用でしょうか?」

「ほら、手紙を返してあげるわ」

アンはジェニファーに手紙を差し出した。

「ありがとうございます!」

まさか手紙を返してもらえると思わなかったので喜んで手紙を受取り、部屋を出ようとした矢先。

「待ちなさい、ジェニファー。一体何処へ行くつもりなの?」

「え? あの……部屋で手紙を読もうかと……」

「手紙なら今ここで読みなさい。その後、私の言う通りに伯爵に手紙を書くのよ」

「今、ここでですか?」

部屋でゆっくり手紙を読みたかったのに、まさかここで読むように言われるとは思いもしなかった。

しかも、手紙の返事を叔母の言う通りに書けとは。あまりに理不尽な話だった。

けれどまだ子供のジェニファーは逆らえるはずも無い。

「分かりました……」

「なら、ここにお座り」

夫人に言われるままに椅子に座ると、早速ジェニファーは手紙を読み始めた。

『ジェニファー。元気にしているかい? 私のことを覚えているだろうか……』

手紙の内容によるとジェニファーと同い年のセオドアの娘が病気で療養中の為、何処にも出ることが出
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  • 望まれない結婚〜相手は前妻を忘れられない初恋の人でした   8-19 ジェニファーのお願い

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  • 望まれない結婚〜相手は前妻を忘れられない初恋の人でした   8-18 伯爵とジェニファー

    「伯爵がどうしたのですか!?」ニコラスが尋ねた。ジェニファーは小刻みに震えたまま、声を出すことも出来ない。「意識を取り戻したのです! それで連絡に来ました」「本当ですか!? お願いです、会わせて貰えませんか? 私にとって、たった一人きりの叔父様なのです!」「ええ、勿論です」懇願するジェニファーに、看護婦は頷いた。「ニコラス……」次にジェニファーはニコラスを振り返る。「俺なら大丈夫だから、行ってくるといい」「ありがとう……!」ジェニファーは笑顔で礼を述べると、急ぎ足で伯爵のいる病室へ向かった。**入院している病室へ向かうと、廊下の窓から伯爵の脈を測る医師と付き添う看護婦の姿が見えた。「失礼します……」遠慮がちに病室に入ると、男性医師と看護婦が振り返った。「あの、フォルクマン伯爵は……」すると医師が笑顔になる。「フォルクマン伯爵の姪子さんですね?」「はい、そうです」「まだ意識が戻ったばかりですが、どうぞ。我々は一旦席を外しますから」「ありがとうございます」部屋を出て行く医師と看護婦に礼を述べると、ジェニファーは恐る恐るベッドに近付いた。「……」ベッドに横たわる伯爵はいつもと変わらず目を閉じている。「……叔父様?」恐る恐る声をかけると、伯爵は薄目を開けた。「ジェニ……ファーか……?」「はい、そうです。叔父様……」ジェニファーは傍らに置かれた椅子に座ると、目に涙を浮かべた。「こんな私のことを……叔父様と、呼ぶのか……? 今迄散々……辛く当たってきた……のに」「駄目…‥‥でしたか?」「まさか。そんなはず……無いだろう。ジェニファーは……血を分けた……ただ一人残された親戚……なのだから……」伯爵はジェニファーを見つめる。「叔父様……どうして……私なんかを庇ったりしたのですか? そのせいで……死にかける程の大怪我を……」最後の方は言葉にならなかった。「……さっき、話した通りだ……たった一人の姪で……弟の子供だから……だ」そして弱々しく笑った。「叔父様……」ボロボロ泣くジェニファーに伯爵は語った。「私は……ずっと……夢を見ていた……気付けば、何処かも分からない真っ暗な場所に立っていて……遠くで子供の泣き声が聞こえてきて……近付いてみると……」そこで一度、言葉を切る。「それは……まだ子供の頃のジェ

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     封筒には『ニコラス・テイラー様へ』と書かれており、ジェニーの名前も記されていた。「この手紙は俺宛てだから、貰って良いな?」ニコラスはポリーに尋ねた。「そ、それは……私では判断できません。元々はジェニファー様への手紙の中にあったものですから」困った様子でポリーが返事をすると、シドが助け舟を出す。「大丈夫だと思います。恐らくジェニー様はジェニファー様の性格を見通して、あえてニコラス様宛ての手紙を紛れさせたのではないでしょうか? ジェニファー様なら必ず渡してくれると思ったに違いありません」「シド、お前の方がジェニファーのことを良く知っているようだな」ニコラスは怪訝そうに首を傾げる。

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